LIP SERVICE(リップサービス)
設立 | 2003年 |
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国 | 日本 |
会社 | 株式会社リンワン(RINONE Co.,ltd)/ 株式会社カラフルワールド(Colorful world Co.,ltd) |
系統 | ギャル セクシー |
URL | https://lipservice.jp/ |
2007年にスタートした「LIP SERVICE」は、渋谷109系ブランドの草分け的存在で、当時のエロカワブームの火付け役とも言われるギャル系ファッションブランドです。COOL&SEXYなスタイルをベースに、艶っぽさとエッジィの効いたかっこいい大人の女(WOMEN)の為のゴージャスかつハイセンスなスタイルを提案しています。上品な露出とラグジュアリー感のあるディテールで作りこまれたアイテムが豊富で、セクシーでカッコイイスタイルに憧れる女性たちに人気があります。
リップサービスはギャルファッション系ブランドの中でも細身のサイズ設計なので、着る人を選ぶブランドでもあります。しかし、ボディーラインも含めたデザイニングこそがリップサービスの追求するセクシーなのです。
2014年春より企画を変更。これまで肌の露出が多いセクシースタイルを打ち出していましたが、「商品の質やライフスタイルを重んじる20代後半の方が市場が大きい」と判断し、ボトムで4サイズ、ワンピースで2サイズ展開とし、肌の露出をこれまでより抑えて幅広い層に訴求という。デコルテをきれいに見せるデザインや、光沢ある素材使いで、女性らしい表現は継続。価格は据え置き。
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歴史
SPA(製造小売業)のジョー・インターナショナル株式会社は2007年6月11日、同社と同子会社Jiマックスコーポレートの保有する主要6ブランド「リップサービス」「JSG」「ジュリアーノジュリ」「ラガス」(ジョー・インターナショナル)と、「Jiマックス」「JiマックスVIRGO」(Jiマックスコーポレート)のアパレル事業を、投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(APファンド)に譲渡することで合意したことを発表しました。APファンドは、2005年にダイエーの再建に出資した投資ファンドとしても知られています。
ジョー・インターナショナルから主要アパレル部門を譲り受けたAPファンドは、MBO(経営陣による株式買収)という形で新会社「株式会社クレッジ」を設立し、2007年8月1日より営業を開始。ブランドの整理統合や主力ブランド「リップサービス」のリブランディングに取り掛かりました。その後の6年間で店舗数は8割増大し、駅ビル・SC・アウトレット・海外へと展開。特にECは業界内でも先駆者的存在として成長しました。
【クレッジが展開していたブランド】
- Ji.maxx (ジェイアイマックス)【販売終了】
- JSG (ジェイエスジー)【生産終了】
- LIP SERVICE(リップサービス)
- CIEL BY LIPSERVICE(シエル バイ リップサービス)
APファンドは、SPA事業のクレッジの全株式を、MITコポレートアドバイザリーサービス(MIT)のグループ会社、MITパートナーズ2号合同会社に2013年3月29日付けで売却、M&Aにより親会社が変わりました。
※SPAとは、specialty store retailer of private label apparelの略で、製造小売ともいう。 企画から製造、小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指します。
クレッジが保有するブランド群ならびに確立したオペレーションをベースとしてマルチチャネル・マルチブランド展開を目指す中、MITの保有する物流・生産機能がクレッジの事業規模拡大を支える上でのインフラ強化につながり、クレッジの更なる発展に向けた最善の選択であるとの結論に至ったとのことです。
株式会社オルケス
2011年6月事業再生コンサルタントのMITがシンガポール株式会社の全株式を取得し、財務を改善して黒字化を果たしていました。さらに2013年7月には、MITが設立した特定目的会社を経由してクレッジを吸収合併、シンガポールは商号をオルケスに変更しました。
※オルケスは、シンガポール(株)と(株)クレッジの合併にて2013年7月に誕生しました。シンガポールが存続会社です。(旧・シンガポール1953年5月設立、旧・クレッジ 2007年3月設立)
【オルケス(ORCHES Co.,Ltd)が展開していたブランド】
- LIP SERVICE
- JURIANO JURRIE
- Noela
- CIEL BY LIP SERVICE
- Unchulle emu
- KANSAI YAMAMOTO BIS COLLETION
- KANSAI YAMAMOTO BIS NUOVA
- M’ID・KANSAI YAMAMOTO
- Lantana
- AQUA212
- Savoir
2014年8月27日にオルケスは、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。
負債額はオルケスが約60億円、シンガポールファッションが約10億円。
シンガポール株式会社
シンガポール株式会社は1948年8月創業、1953年5月に法人改組しました。当初は岐阜県に本社を構え、シンガポールの商号で、量販店を中心に百貨店、アパレル向けなどに、OEM事業のほか自社ブランドによる婦人服の卸などを手がけていました。
しかし、関係会社だったゴルフ場経営企業が2003年に民事再生法の適用を申請したほか、関連企業に対する貸付金が重荷となっていたことなどから業績が悪化。その後はニチメン(現・双日)の傘下に入り、金融機関から80億円を超える債務免除を受けるなどして建て直しを図ってきたものの、世界的な金融危機や国内消費の低迷などの影響から思うように業績が回復せず、5期連続の欠損計上を余儀なくされていました。
2011年6月に事業再生コンサルタントのMIT Corporate Advisory Servicesが、全株式を取得し、双日が持つオルケス向け債権を譲り受けたうえで、デット・エクイティ・スワップを実施して大幅に財務を改善、黒字化にも成功していました。
その後は、MIT社が設立した特定目的会社を経由して、婦人服製造小売のクレッジを2013年7月に吸収合併し、シンガポールはオルケスに商号を変更しました。
旧・クレッジが手がけていた10代後半から20代の女性向けのブランド「LIP SERVICE」「JURIANO JURRIE」などを擁し、2014年1月期には買収効果もあり年売上高約108億2100万円を計上していました。
しかし、前述の通り業績が悪化し、関係会社のシンガポールファッションとともに民事再生法の適用申請に至りました。
株式会社リンワン
2014年8月に東京地裁に民事再生法適用を申請し、事業ごとにスポンサーへの譲渡を進めてきたオルケスでしたが、主力ブランド「リップサービス」事業をOEMメーカーの株式会社カラフルワールドが11月21日付で事業譲受しました。さらに、ODM (相手先ブランドによる設計・生産) のミセスブランド事業を帝人フロンティアが、20代向けSPAの「ノエラ」事業を総合アパレルメーカーのヒロタがそれぞれ事業譲受し、同月27日付で業務移管しました。
譲渡金額は旧・シンガポール社によるミセスブランドが1億5000万円で、旧・クレッジ社の「ノエラ」が約2700万円。また、オルケス社が手掛けていた「ジュリアーノジュリ」は同月末で一時事業を廃止しましたが、株式会社ノットのブランドとして新たに事業を再開。担当者も移行しています。
そして2015年3月1日付けで、ブランド「リップサービス」の運営販売会社を株式会社オルケスより株式会社カラフルワールドの関連会社である株式会社リンワンに変更しました。
アパレルOEMメーカーである株式会社カラフルワールドの子会社リンワンは2016年4月、アパレルメーカーの株式会社lots of pockets(ロッツオブポケット)が設立した「LADY MADE(レディメイド)」を事業譲受しています。「LADYMADE」は2011年に渋谷109に1号店をオープンしデビューしたファッションブランドです。
※OEM(オーイーエム、英:original equipment manufacturer)とは、他社ブランドの製品を製造すること、またはその企業。日本語では「相手先(委託者)ブランド名製造」、「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳されます。 OEMは家電や食品、自動車メーカーなど様々な業種で利用されています。販売ブランドが流通業の場合はプライベートブランド(PB)と呼ばれることが多い。
- 株式会社カラフルワールド (Colorful world Co.,ltd) 2012年6月22日設立
- 株式会社リンワン (RINONE Co.,ltd) 2014年11月20日設立
企業全体ではなく、事業ごとの譲渡を選んだのは、相乗効果が乏しく、収益力にも差があったためと思われます。同じアパレル事業とはいえ、事業構造や販路の違いがある場合、M&A (企業の合併・買収) による相乗効果の発揮が難しいことを示しています。
なお、ECサイトの「atomicboxx」は、2015年3月1日付けで、運営販売会社を株式会社オルケスより株式会社リンワンに変更しています。
株式会社オルケスの興廃
アパレル企業クレッジの社長を務めた星崎氏は、2012年からメガネスーパーの再建に取り組んでいるそうです。
クレッジはオルケスとなり、2014年に経営破綻して民事再生法を申請していますが、星崎氏が離れてからわずか2年未満の出来事です。
星崎氏のあとにオルケスを引き受けた経営者は、オルケスを含めて携わった会社やブランドをことごとく破綻か赤字転落に導いています。
星崎氏の手腕により一旦は黒字化に転じましたが、新社長就任の数ヶ月後から突如として月次売上高が前年同月比を大幅に下回るようになったといわれています。10%減どころではなく20%減や30%減が当たり前という状況で、そのまま一度として持ち直すことなく、オルケスは経営破綻しました。
オルケスという企業の盛衰を見ると、企業の興隆と没落は経営者次第だということがよくわかります。
コメント
これを書いた方はよくわかっている。
クレッジを買収した後に雇われ社長として入ってきた、池内清和氏が私腹を肥やすために多くの取引先を変更してキックバックを得ていた。
一般的な当たり前のことしか言えず、統率能力もなく大会社の取締役の肩書だけで仕事をしていた。
その後、ライザップ傘下のジーンズメイトの役員になったがすぐにクビになる。